2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「新平家物語」(溝口健二)

冗漫で鈍重で知性を缺いた作品。たとえ雷蔵がいたってコレは救えない。よりによってこんなのを放送することもなかろうに。そもそも吉川英治なんぞをベースにするのがわからない。

「あるいて一歩!!(1)」(武田すん)

まあ、なんだ。ありがちな妄想充足型まんが。そんだけ。

「ちまちま」(かがみふみを)

んー、悪いとはいわぬが痛々しくて見てられない。

「グーグーだって猫である2」(大島弓子)

こりゃねこまんがというよりは闘病まんがではないか、と思ったが、それはそれとしてかくも冷静に描けるのはたいしたもんだ。後半はねこまんがにもどった。捨て猫助けまんがかな? 「アルルルーウ」と鳴くグーグーがすてき。

チャンピオン、「白亜紀恐竜奇譚 竜の国のユタ」(所十三)が開始。うーん、とくにどうとも思わない。恐竜の呼び名は現代の学名ではないほうがよかったかと。それよりも「少年ルパンと奇妙な犯罪」(木々津克久)という読切がおもしろかった。かなり無理はあ…

サンデー、「MARΩ」(星野倖一郎)が開始。なにもあんなのの続篇を、作者をかえてまでやるこたないのに。まあ前作は最低のシロモノだったので、それよりはマシなものができあがるのではないかと予想します。

「近松物語」(溝口健二)

原作のちがいなのか何なのか、ストーリーがしっかりしていておもしろい。もっとも、90分ほどで物語は詰んでしまい、あとはグダグダやってるだけであった。主人公がただ流されるだけなのもどうも。 だがしかし、そんなことよりも女が間男をつくって逃げたくら…

「背教者ユリアヌス(下)」(辻邦生)

皇帝になってしまえば挫折と破滅がまっているわけで、読むスピードもおちるというものだ。なんか読んでると倣岸で排他的なキリスト教徒がにくらしく思えてくるわけで。ともかく、皇帝になったのは彼にとっては不幸であった。

「雨月物語」(溝口健二)

うーん、弟夫婦は必要なのかしらん。そもそも、図式的というか説教くさいストーリーがどうも。お化けも、お説教のだしにつかわれるのではおもしろくない。退屈というほどではないにせよ、好きではないですね。ゴダールが美しくて涙がでてくるといっても、小…

ジャンプ、読切の「SKET DANCE」(篠原健太)がわりとおもしろい、かな? 事件の真相はムリがあるものであったが、絵もわりと好き。

「背教者ユリアヌス(中)」(辻邦生)

おもしろかったが、本を読む話ではやはりなかった。というか、主人公がエウセビアであったような気もする。ユリアヌスは運命に翻弄されるだけで、ディケンズの主人公みたい。宏大すぎる領土、質の悪い官吏、ローマ皇帝もたいへんであると、コンスタンティウ…

「ビッグバン宇宙論 下」(サイモン・シン)

訳者は“王道”というが、ひねりがなく退屈といったほうが正確ではないのか。宇宙論関係の本を一冊も読んでなければたのしめるかもしれないが。まあ、下巻にはいってややもちなおしたとは言えましょう。ガモフが「不思議の国のトムキンス」を書いたがために研…

チャンピオン、「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」(車田正美、手代木史織)が開始。あらあら、車田氏みづから描いてた「NEXT DIMENSION」はおまけだったのか。表紙にデュアル連載とあるが。それに、車田氏の原作というのは、ストーリーを考えていると…

「グーグーだって猫である」(大島弓子)

ネコのまんが。たとえば「ゆず」のような。もちろん違いはある。が、それが何なのか分析できない。作家の違いというまでなのかしらん。グーグーもビーも我が家のネコよりあきらかに賢そうだ。わたくしは賢いネコというものを見たことがないのですが。それと…

マガジン、「未来町内会」(野中英次)が開始。んー少なくとも第一回はおもしろくない。それに未来である意味がない。もっとも、前作も最初はそんな感じだった気がするから今後どうなるかが問題でしょうか。

「背教者ユリアヌス(上)」(辻邦生)

以前に数ページ読んで挫折したのはなんだったのか。すらすら読めるぢゃないか。てなことはともかく、ひとことで申せば幼いユリアヌスがかわいい。もうひとこと加えるならば、これは本を読む話である。 とは何ぞ。読書小説とでもいえばいいのか、主人公が本を…

「イスラーム生誕」(井筒俊彦)

これまた「<狐>が選んだ入門書」からの一冊。イスラム教の発生時のアラブ世界の精神的実存的危機と対比してのムハンマドの思想を描く。何百年もの間おなじような生活をしてきたジャーヒールが、なぜその時にいたって実存的危機とやらにおちいったのかわか…

「キリスト教思想への招待」(田川建三)

キリスト教思想なんてものにさして関心もないが、「イエスという男」や「書物としての新約聖書」がおもしろかったので読んでみる。「<狐>が選んだ入門書」でとりあげられた一冊。キリスト教思想というか、キリスト教が現代ヨーロッパに影響をあたえた考え…

チャンピオン、「魔剣士ZANN」(大舞キリコ)が開始。なんていうか、漫画家はこういう話が好きだなあ。編輯者が好きなのかな。それよりも集中連載の「富山ねじ」(佐藤将)がおわったことに注目したい。ついてゆけない部分もあるんだけれど、これはたぶんお…

「月館の殺人(下)」(綾辻行人、佐々木倫子)

思ったよりも血なまぐさい展開になった。ミステリとしてはまあ、それなりですかね。テツをどれだけ活写できたかが主眼のような気もするが、個人的にはどうでもいいことだしなあ。佐々木さん描く小野不由美さんに注目。

「美男狩(下)」(野村胡堂)

後半もちなおした印象。小玉太夫がストーリーの核(とまではいかないが)となり、まとまりが出た。クライマックスの部分は一気に読めました。まさか宝のうばいあいにならないとは思いもよらぬことであった。

「スターウォーズ エピソード3 シスの復讐」(ジョージ・ルーカス)

このシリーズを観るたびにジェダイは弱いと思うのだが、評議会の連中が雁首そろえてパルパティーンひとりに踊らされているのだから、弱い以前にボンクラのあつまりである。強い弱いでいえば、ルークもヨーダもかなわなかった皇帝を追いつめたウィンドゥがじ…

「美男狩(上)」(野村胡堂)

財宝のありかをしめす3つのアイテムの奪い合い、とくればおもしろそうだが、それがどうも。話の進行がスムーズにいかず、イライラする。奪い合いとなれば思うようにいかないのは当然なのだけれど、あらゆる登場人物のやることなすことが妨害にあい、ストレス…

「狐の書評」(狐)

「<狐>が選んだ入門書」を読んで死蔵してあったコレを読む気になった。読んでみればこちらもおもしろいではないですか。とくに絵本をいくつもピックアップしてあるのがいい。福音館の絵本はどうやら宝の山らしい。

「孤独な場所で」(ニコラス・レイ)

ニコラス・レイやハンフリー・ボガートよりもグロリア・グレアムの名前に惹かれて観た。ちょっとアブない性格の脚本家ボガートに殺人容疑がかかったことをめぐるサスペンスであるが、そんなことはどうでもよくグロリア・グレアムに見とれておりました。とり…

サンデー、「ダレン・シャン」(新井隆広)が開始。原作つきのせいなのか、導入部はしっかりできてる。ダークだろうがなんだろうが、ファンタジーには食傷ぎみですが。 マガジンでも新連載。「新約「巨人の星」 花形」(梶原一騎、川崎のぼる、村上よしゆき…

「オープン・ウォーター」(クリス・ケンティス)

うーん、何のためにつくったのかな、この映画。実話がベースになっているそうだが、それにしてもひねりが無さすぎでしょう。サスペンスの演出がうまければこのままでも観られるのかもしれないが、そうではない。スピルバーグは偉大だったのかもしれないなど…

「でかした、ジーヴス!」(P・G・ウッドハウス)

短篇集。ウッドハウスは長篇のほうが好みではあるが、これはこれでたのしめた。内容はまあ、いつものとおりという他はないんですがね。これでこのウッドハウス・コレクションも当初の3冊にくわえて追加分の2冊が刊行されたことになる(なぜか全6冊だと思って…

「<狐>が選んだ入門書」(山村修)

『入門書こそ究極の読みものである』とは著者の自説だそうだが、“究極”かどうかは知らず、わたくしも入門書は好きである。その証拠にこの本に挙げられている25冊のうち、既読が3冊もある。これはわたくしの読書量からして異常な割合であるいってさしつかえな…

「腰ぬけ連盟」(レックス・スタウト)

「聖域の殺戮」はかならずしも満足のいく出来ではなかったが、ミステリの愉しみを再認識することができた。そこでもう一冊読んでみた。スタウトはずっと昔に「料理長が多すぎる」を読んだきりだけれど、あまりおもしろくなかった気がする。ほとんど何も記憶…