「でかした、ジーヴス!」(P・G・ウッドハウス)

 短篇集。ウッドハウスは長篇のほうが好みではあるが、これはこれでたのしめた。内容はまあ、いつものとおりという他はないんですがね。これでこのウッドハウス・コレクションも当初の3冊にくわえて追加分の2冊が刊行されたことになる(なぜか全6冊だと思っていたのだが)。だがさらに追加されるようで、これはまったくめでたいことだ。『二十世紀に生を受けてよかったと思わずにいられない理由は実に少ない。またそのほとんどは医学治療に関するものである。心臓移植、ポリオワクチン、グレース・ケリーの顔。それとウッドハウスだ』という言葉はそっくりこの21世紀においても該当すると確信しているためである。