「背教者ユリアヌス(中)」(辻邦生)

 おもしろかったが、本を読む話ではやはりなかった。というか、主人公がエウセビアであったような気もする。ユリアヌスは運命に翻弄されるだけで、ディケンズの主人公みたい。宏大すぎる領土、質の悪い官吏ローマ皇帝もたいへんであると、コンスタンティウスに同情したり。