2006-01-01から1年間の記事一覧

「蜘蛛の巣(上下)」(ピーター・トレメイン)

ミステリとしてはとるにたりない作品。ムダに多くひとが死ぬし、過度に怨恨関係が複雑で謎ときをしてもすっきりしない。ただ、舞台である7世紀のアイルランド社会がとても魅力的でおもしろい読物にはなっている。当時のアイルランドは女性の地位がたかく、主…

「サンキュー、ジーヴス」(P・G・ウッドハウス)

あーおもしろかった。ほかに書くべきこともないか。訳者によればウッドハウスのミュージカルコメディへの貢献(原作・脚本・作詞)および後続の作詞家への影響は絶大であるとのことだ。そして彼の小説は“音楽抜きのミュージカル・コメディー”なのだと。ダグ…

「ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日」(マルクス)

「フーコーの振り子」(エーコぢやないはう)を讀んでナポレオン三世に興味をもつたのは皮肉である。鹿島茂「怪帝ナポレオンIII世」を讀みたいところであるが持つてないのでこちらを手にとつた次第。ナポレオン三世のクーデターを分析してゐるのだが、その當…

「史上最強の弟子ケンイチ(23)」(松江名俊)

主人公以外のキャラのバトルをながながを描くのもどうかと思うが、トーナメントにはさらに不満を感じる。トーナメントはまんがの敵です。

ジャンプ、「重機人間ユンボル」(武井宏之)が開始。「仏ゾーン」もヘンだったが重機人間とは突飛だ。バトルものになりそうな雰囲気が不安ではあるが、まだわからぬ。

「よつばと!(6)」(あずまきよひこ)

なんてこともなく。いや、なんてこともないマンガであるから、それが当然ではありましょうが、なにやら物足りない。可笑しさが足りない、のかしらん。再読するとまた印象もかわるんだろうけども。

サンデー、「イフリート 〜断罪の炎人〜」(吉田正紀)が開始。仕掛人的暗殺者ものに超能力をふりかけて。ネタが好みでないので期待しません。 マガジンでも「シバトラ」(安童夕馬、朝基まさし)が開始。警官ものですか。まだよくわかりません。こっちにも…

ジャンプはもう2号。「神力契約者M&Y」(暁月あきら)が開始。なんだか見たような気もするが、読切であったのだったか。四大なんてのは食傷しているが、コミカルな分ややマシでしょうかね。

「フーコーの振り子 科学を勝利に導いた世紀の大実験」(アミール・D・アクゼル)

“脚注”と題されたものが巻末にまとめられているのが、まづ理解できぬ。あるいは冒頭を頭と見て、末尾を脚とする意もあるのかと辞書をひいてみたが無かった。原書では脚註であったのだろうか? フーコーやその実験より印象的だったのがナポレオン三世であった…

「数学的にありえない(下)」(アダム・ファウアー)

“ラプラスの魔”という表記のほうが“ラプラスの悪魔”よりずっと多いと、グーグルで検索してみてわかった。でも、マックスウェルのほうは悪魔のが多いのだ。どっちも悪魔にしたほうが平仄があうというか、つりあいがとれるというものではないですか? それはと…

チャンピオン、「王様のオーパーツ」(西川淳)が開始。ジャンプで10週うちきりになるような作品であり、おそらくは「ワンピース」のエピゴーネン。

マガジン、「少年無宿シンクロウ」(さいふうめい、星野泰視)がなんとなく終了。これまたなんとなくめざそうとしていたモノはわかるものの、はなはだもりあがりに缺けて半分も実現してないのではないかと感じる。それから新年1号だからなのか、全作品のあら…

「宮沢賢治全集5」(宮沢賢治)

ながらく賢治ぎらひを自稱してきたが、讀んでみればさうでもない。「よだかの星」のやうないやらしい作品(これは一番きらひな「猫の事務所」級にイヤ)をのぞけば、「カイロ団長」「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」(“ネン”の數あつてる?)をはじめ…

「ぼくと1ルピーの神様」(ヴィカス・スワラップ)

原題の「Q and A」もつまらないが、訳題はひどい。そもそもこの小説の結論に反しているのではないか。ま、それを措くとして、これはつまり『登場人物がおはなしをする(そして別の登場人物がそれを聞く)話』である。だが「アラビアン・ナイト」はもちろん、…

ジャンプ、「HAND'S」(板倉雄一)が終了。だから借金とりだのヤクザだの(同じか?)を出してないでさっさとハンドボールをはじめればいいのに。ろくに試合もやらずにおわってしまった。そして、「BLUE DRAGON ラルΩグラド」(鷹野常雄、小畑健)が開始。こ…

「フレッド・アステア自伝」(フレッド・アステア)

既読の「アステア・ザ・ダンサー」はこの本の出版後に出たものであり、つまりこの本の内容を包含している。でも、アステア自身がガーシュウィン兄弟やマーク・サンドリッチやアーサー・フリードを語るとなれば、読むほかあるまい? 文章を読めば、ゴーストラ…

「グリムのような物語 スノウホワイト」(諸星大二郎)

「トゥルーデおばさん」は朝日ソノラマで、こちらは創元から出ている。どうしてこんなことに?と思えば、発表された雑誌がちがうのですね。「ラプンツェル」はどちらにもあるが、異なる話になっているという不思議。 不条理というか、わけのわからない話の割…

「お言葉ですが…(10) ちょっとヘンだぞ四字熟語」(高島俊男)

11巻についている通巻索引をながめていて、この10巻を読んでなかったことに気づく。副題にある四字熟語のはなしがおもしろい。四字熟語がかなり新しいことばであるというのは意外で、昭和の末くらいにつくられたというのはにわかには信じられない。中国では…

「死の相続」(セオドア・ロスコー)

オビの文句は『密室ミステリの歴史に燦然と輝く、おそるべき怪作』そして『カーの大仕掛け、そしてクリスティのサスペンス』ときた。もう森英俊さんにはさんざんおどらされてきたから、真に受けることはないがそんなたいした作品ではない。やはり森さんのこ…

KID倒産の報におどろく。「12RIVEN」はどうなるわけですか?

チャンピオン、「キレルくん」(五島慶彰)が終了。武闘篇がはじまる前は好きだったが。ラスボスでもキレなかったのはおもしろい。でもって「かるた」(竹下けんじろう)と「アイホシモドキ」(森繁拓真)が開始。マグロ漁まんががあれば百人一首まんがもあ…

マガジン、「格闘料理人ムサシ」(刃森尊)が終了。けっきょくこの作家はどんなジャンルのまんがでもこうなっちゃうのね。まだ連載をもたせるつもりなら原作つきにするほかあるまい。むかし原作つきのヤツでもだめでしたけども。そして「じょっぱれ瞬!」(…

「西洋哲学史 近代から現代へ」(熊野純彦)

近代哲学は、むつかしい。前巻は、理解できていたかどうかはともかくとして楽しんで読めた。こちらはお手あげである。それはもちろん、こちらの理解力の問題である。が、ヘーゲルの項で『区別するとは、<他のものではないこと>として、<ないこと>を定立…

ジャンプ、「OVER TIME」(天野洋一)と「斬」(杉田尚)を同時に抹殺した。チャンピオンではよくあるけれど、ジャンプではめづらしい。前者は野球もので「ヒカルの碁」をやろうとしたのだろうか。後者はチャンバラものであるから、必然的に失敗を運命づけら…

「お言葉ですが…(11)」(高島俊男)

連載が終了していたとは知らなかった。けっこういろいろと影響されたもんですがね。それにしても文藝春秋もみみっちい。連載した分くらい、きちっと本にしたらよかろうものを、この11巻のみ他の出版社から出ております。 聖書に出てくる、預言なることばが、…

サンデー、「聖結晶アルバトロス」(若木民喜)が終了。ドラマもバトルも退屈で、ちっともおもしろくなかった。超能力バトルはもう、編輯のほうでストップかけるべきではないのか。 ロバート・アルトマン死去。「M★A★S★H」と「ザ・プレイヤー」しか観てない…

「図書館のプロが教える<調べるコツ>」(浅野高史+かながわレファレンス探検隊)

しらべものが好きである。そういうわたくしにとって、検索サイトはありがたい。しょっちゅう何かしらしらべている。べつに勉強が好きなのではないので、しらべたことは翌日にはわすれていたりする。しらべることそのもの、たとえばキーワードを何にしてしぼ…

チャンピオン、「私は加護女」(高橋葉介、近藤豪志」が開始。お、個性的でおもしろい、と思えば高橋さんの原作であった。それと、「キレルくん」はなんだって武闘篇になってしまったのだろう。

マガジン、「090〜えこといっしょ〜」(亜桜まる)が終了。形容しがたい内容についていけなかった。そして、「ハンマーセッション!」(小金丸大和、棚橋なもしろ)が開始。詐欺師が教師になる話、らしい。導入部はまづまづです。おもしろくなるかもしれない…

「文学全集を立ちあげる」(丸谷才一、鹿島茂、三浦雅士)

まづ、“立ちあげる”なんてヘンなことばをつかっているのが気になる。こんなことばはコンピュータに関してのみ使えばいいではないか。おもしろく一気に読んだが、とにかくみんなよく読んでる。作品名もひょいひょい出てくるし、それに共通理解がある。本業な…