「ビッグバン宇宙論 下」(サイモン・シン)

 訳者は“王道”というが、ひねりがなく退屈といったほうが正確ではないのか。宇宙論関係の本を一冊も読んでなければたのしめるかもしれないが。まあ、下巻にはいってややもちなおしたとは言えましょう。ガモフが「不思議の国のトムキンス」を書いたがために研究者たちの信用というか信頼をうしなかったとか、フレッド・ホイルが定常宇宙と「10月1日では遅すぎる」だけのひとではなかったといったあたりが印象的であった。