2008-01-01から1年間の記事一覧

石川雅之「もやしもん(4)」

うむ、人間がでない話のはうがおもしろい。私の思ひゑがく「細菌のひみつ」に近づくと申しますか。 それに化粧がケバいといつたらスッピンで出てくるあたり、私の提言をすなほに受けいれたやうでよろこばしい。 でもまあ、要は細菌のウンチクが主眼なのであ…

石川雅之「もやしもん(3)」

二卷を讀んでもういいかと思つたのですが、家人は氣にいつたやうでつづきを買ふはめになつた。 ストーリーはもとから弱いが、いつそなしでもいいと思ふ。キャラもへらしてですね、学研まんが・ひみつシリーズふうにしませうよ。ハシラにはキャラ紹介でなくて…

少年マガジン46號

名島啓二「ちきゅう観測隊!!」がひさびさに載つた。私、これが好きなのです。連載してください。 また、おなじく讀みきりの石垣冬樹「10minutes!」もよござんす。新人のやうだが、かういふ作風をわすれないでほしいなあ。 星野泰視の新連載「ファウスツ」は…

田中美知太郎「ソフィスト」

まづ、「まえがき」の「固有名詞の呼び方をできるだけ世上の慣用に近づけたのと、ギリシア原語の使用を最小限度に止めたのを除いては、べつに通俗的ということを考えなかったが、著者はいかなる場合にも、普通の思考力をもつ人ならだれでも従うことのできる…

大貫隆「グノーシス「妬み」の政治学」

「妬み」を「そねみ」と讀んでゐたことから告白せねばならぬ。 初手からつまづいた恰好ですな。 「ねたみ」だと知つたところで簡單にアタマがきりかはるわけもなく、「そねみ」と讀んではああ「ねたみ」だつたと思ふことをくりかへして最後まできてしまつた…

猪原賽、横島一「悪徒―ACT―」

少年チャンピオン45號で終了。 でなくて第一部完か。なんだか打ち切りふうであるが。 スカジャンを着て變身してバトル。 かういふのがチャンピオンはすきだねえ。だから近所のコンビニでおかなくなつてしまふのではないかい。

石黒耀、外園昌也、正吉良カラク「カグツチ」

少年マガジン45號で終了。 マガジンではけつこう讀めるはうだつたとはいへ、すぐれてるとはいひがたい。 主人公が行動によつて事態を打開するやうな展開がすくなく、ただながされてだけみたいな。まあ、あひては火山ですからねえ。 主人公の特殊能力も活かし…

松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ(29)(30)」

ラグナレク篇以降をあまり評價してないのだけれど、かうしてまとめて讀んでみるとけつこうきちつと伏線をはつてあるのだなあ。 にしてももう30卷か。史上最強の弟子ケンイチ 30 (少年サンデーコミックス)作者: 松江名俊出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/…

山田英司「武術の構造 もしくは太極拳を実際に使うために」

中國武術や古武術、合氣道などが実戰で、といふか近代挌鬪技とたたかつても勝てないのはなぜか。 その理由を説明する前半の理論篇がおもしろい。無論、文弱の徒である私に、いや文のはうもアレですからただの弱徒か、その是非がわかるはずもないのだが、とに…

二階堂黎人「鬼蟻村マジック」

蘭子ものには絶望したのでもつとサトルものを書いてもらいたいと思つてゐたところであつた。 メインのトリックはでてくるなり、おほまかにではあるがわかつたしまつた。トリックそのものの問題なのか、ミスディレクションがいまいちなのか。 それはまあしか…

半藤一利「昭和史 1926-1945」

形態、規模がどうあれ、組織がうまくはたらかないさまは見てゐてつらい。 たとへば監督がアホなせゐで野球ティームががたがたになつるだけでもさうである。 それが戰爭ともなればたいへんなことで、私はプロイセンにもフランスにもとくべつな思ひいれはない…

PEACH-PIT「Rozen Maiden(1)」

べつに麻生さんが首相に、いや自民黨總裁か、なつたからではなくてですね、私はいはゆるやる夫スレがわりと好きなのである。 で、そこでしばしばヒロインを演じる(といふのか)キャラをもすこし知りたいと思つたのだ。それで「らき☆すた」も讀み、先だつて…

鈴木忠、森山和道「クマムシを飼うには 博物学から始めるクマムシ研究」

日本の科學者やサイエンスライターには、文系のセンスがたりないと思ふ。 そんなもんが研究にいるかどうかはしらないが、一般向けの讀みものを書くときには重要だと考へる。余分にみえて必要なうるほひが文章にたりなくなるのだなあ。 などとふだんから感じ…

小沢としお「ナンバMG5」

少年チャンピオン42號で終了。 卷末コメントを讀むまでをはつたことに氣づかなかつた。 しばらくやすんで、タイトルをかへて再登場するらしいが、それにしても唐突な。 ついでに「フジタチバナ」もをはり。まづまづの出來だが、もちつと農作業ネタをいれてほ…

奥野卓司「ジャパンクールと江戸文化」

昔むかし歌舞伎についての本を讀んだことがあつた。そのとき判明したのは、歌舞伎がジャンプのマンガに似てゐること。ケバい衣裳、とんがつたキャラクタ、どぎついストーリー、あくどい演出、なんと似てゐることか。 日本文化はおたくの文化なのではあるまい…

支倉凍砂「狼と香辛料」

異世界なのに異世界つぽくない。ただの中世ヨーロッパ。教會とか修道院も、そのままキリスト教のそれである。ならヨーロッパを舞臺にしておけばいいぢやん。なんなら架空の小國とかでもよい。 なぜ異世界だとダメで架空の小國ならいいのかと問はれると返答に…

施川ユウキ「サナギさん」

少年チャンピオン號で終了。 「酢めし疑獄」がをはつたときほど殘念ではないのは、ここのところ低調だと思つてゐたため。また連載をやつてくれるならそれでよし。 それはそれとして、この最終回はなかなか見られないほどみごとな最終回である。私はRPGをラス…

笹原宏之「訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語」

著者略歴に、JIS漢字や常用漢字の制定・改正にたづさはるとあるのを讀んで不安になつた。これつてアホの同義語ではないのか。 が、中味は常識的なものであつた。さまざまな字についてのトピックが雜然とならんでるだけで芯がないのでものたりない。さういふ…

池内了「疑似科学入門」

新書といふかたちでかうした本が出ることの意義までは否定しないけれども、おもしろいとはいひがたい。 参考文獻にもあるガードナーやハインズの本は個別の例がたくさんあつたのに、抽象的な一般論に終始してゐて讀みものとしてのうるほひがありません。すで…

古味直志「ダブルアーツ」

少年ジャンプ41號で終了。 原因不明の死病が蔓延する世界。主人公にはふしぎなちからがあり、彼と手をつないでゐると病気が進行しないのである。ヒロインは罹患してしまひ、主人公とずつと手をつないでなければならなくなる。 風呂にどう入るか、なんてエピ…

「象は世界最大の昆虫である ガレッティ先生失言録」

ガレッティは1750年うまれのドイツのギムナジウムの先生。このひとがタイトルにあるやうな失言をやたらとしたのださうで、生徒がそれをまとめて本にした。それがいまにつたはり、「ガレッティ」は失言の同義語になつたとか。 見てゆくと、どうも單なる失言ば…

司馬遷「史記1 本紀」

本紀といふのは歴代王朝の王たちとその周囲におこつたことを時系列にしるしてゆくものであるが、これがつまらない。年表を讀んでるみたいな。 んー、でも私は年表をダラダラながめるのは好きなのだな。王と關係のないことが書いてないからわかりづらいためか…

ドン・シーゲル「中国決死行」

第二次大戰中、日本軍の將校(アマラといふ名前)の乗った戰鬪機が中國のどこかに墜落し、アメリカ軍の小隊がアマラをつかまへにゆかねばならなくなる。。 指揮をとるのが戰鬪經驗のない情報部の中佐で、頭ごなしに非現実的な指示をされて小隊長の大尉がこま…

吉田正紀「イフリート〜断罪の炎人〜」

少年サンデー40號で終了。 カネをもらつて人殺しをする暗殺者の話ならまだ許容できるのだが、あいつらは惡だからといつて殺すテロリストの物語はうけつけがたい。マガジンでもいまそんなのやつてるんだよなあ。 いちわう復讐譚でもあるにはあるのだけどね。

濱田浩輔「どがしかでん!」

少年ジャンプ40號でをはつたバスケットもの。 スポーツマンガにおける部活動にはふたつのパターンがある。 主人公が入部するのにも苦勞するやうな名門中の名門か、部として成立するのもあやふいやうな弱小か、であります。 もうそんなのばかりなのも飽きたの…

東雲太郎「キミキス(4)」

二卷三卷がさほどでもなかつたので、このまんがは一卷だけでをはつてるのかと思つてゐたが、これはなかなか。 といふか、單に強氣でリードしてくるやうなヒロインがこのみであるだけかしらん。 摩央姉ちやんがちよつとせつない。キミキス 4―various heroines…

「発見!世界大航海 歴史を変えた男たち」

BS朝日でやつてたBBCの番組。 全5話だが、はじめのマゼランは見てないし、のこりのクック、ナンセン、コンダミーヌ、モンセンも斷片的にしか見てゐない。それでもおもしろかつた。 ナンセンのサヴァイヴァルは驚倒すべきすさまじさがあつたが、もつとも印象…

ドン・シーゲル「殺人捜査線」

まあ殺人もある。けど、痲藥密輸事件だよね。 それはともかく、刑事もので、サンフランシスコが舞臺で、サイコパスが出てきて、スクールバスも(出てくるには)出てきて、こどもが人質になるが、「ダーティーハリー」とはかなりちがふ。 一番ちがふのは、實…

木村シュウジ「覇道」

少年チャンピオン39號で終了。 なんかゴツい男がなぐりあふまんが。男はタフで力がつよいので勝つ。工夫もひねりもありません。 なぜなぐりあふのか。むかしの友人と再會するためである(たぶん)。だが、再會してみれば友人はかはりはててゐて、けつきょく…