半藤一利「昭和史 1926-1945」

 形態、規模がどうあれ、組織がうまくはたらかないさまは見てゐてつらい。
 たとへば監督がアホなせゐで野球ティームががたがたになつるだけでもさうである。
 それが戰爭ともなればたいへんなことで、私はプロイセンにもフランスにもとくべつな思ひいれはないが、普佛戰爭でのフランスのおろかしい戰爭のはじめかた、遂行のしかたは見てられない。いや、見ようつたつて見られるものではないけど。
 よその國でさへそれですから、日本だともう讀みすすめるのもつらい。軍人も政治家もマスメディアも國民もそろつて莫迦なことをして、最終的には破滅するのはわかつてゐるわけだから、うんざりげんなりして停滯する。
 結果えらい時間がかかりました。

昭和史 1926-1945

昭和史 1926-1945