ドン・シーゲル「殺人捜査線」

 まあ殺人もある。けど、痲藥密輸事件だよね。
 それはともかく、刑事もので、サンフランシスコが舞臺で、サイコパスが出てきて、スクールバスも(出てくるには)出てきて、こどもが人質になるが、「ダーティーハリー」とはかなりちがふ。
 一番ちがふのは、實質的な主人公が悪役ふたりであることでせう。このふたりの造形がよろしい。スコルピオよりいいかもしれない。ともかくドン・シーゲルが昔からをかしな犯人をゑがくのを好んでゐたのがわかる。
 密輸組織のボスの不気味な迫力がまたいい。うけわたしシーンのサスペンスは格別です。
 そして二度の顛落シーン。