2015-01-01から1年間の記事一覧

黒龍荘の惨劇 トリックはおもしろいがヒントが足りぬ氣がする。フェアか否かといふことはどうでもよいのだが、私はトリックでおどろきたいのである。十分なヒントがばらまかれてあつてはじめて「ああ、さういふことだつたのか」とおどろくことができる。そこ…

ヴォイニッチ写本の謎 一番の問題はこの寫本の(文字はともかく)圖が私には魅力的ではないことだ。もつとおもしろいアウトサイダーアートがいくらでもありさうな氣がする。ロジャー・ベーコン、ジョン・ディー、ルドルフ二世、キルヒャーなどオールスター・…

クワイヤボーイズ アルドリッチの作品には「特攻大作戦」とか「傷だらけの挽歌」のやうな私の理解を超えるものがある。これもさういふ分類に入るかもしれない。單なる出來のわるい映畫にも見えるが、アルドリッチがどうしてこんなと思ふとそれも早計かもしれ…

おおきく振りかぶって(25) おおきく振りかぶって(25) (アフタヌーンKC) 作者: ひぐちアサ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/08/21 メディア: コミック この商品を含むブログ (3件) を見る

アルスラーン戦記(14) 天鳴地動 犬死ポイントをこえてしまへばこんなものよ。ヒルメスといふ人物が何のためにゐるのかわからなくなつてきた。もしかしてイルテリシュがいちばん魅力的な人物なのではないかと思はれてきた矢先に不穩なラスト。 天鳴地動(て…

あさひなぐ(15) あさひなぐ(15) (ビッグコミックス) 作者: こざき亜衣 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2015/07/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

アルスラーン戦記(13) 蛇王再臨 だれひとり缺くことのなかつた「水滸傳」の百八星が、ある時點をすぎるとわらわらと犬死してゆく。そんなポイントをどうやら通過したやうである。 蛇王再臨 アルスラーン戦記13 (カッパ・ノベルス) 作者: 田中芳樹,丹野忍 …

バーニング・ブライト 虎から逃げる話。自閉症の弟が特殊な知識を披露して役にたつ、といつた展開があるべきではないのか。すべてを失つたふたりがその後どうなるのかも氣になる。 バーニング・ブライト [DVD] 出版社/メーカー: アメイジングD.C. 発売日: 20…

ダンジョン飯(2) ダンジョン飯 2巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ)) 作者: 九井諒子 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン 発売日: 2015/08/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る 魔術師が多すぎる 1966年にして…

なぜ時代劇は滅びるのか たとへば西部劇は實質的にほろびてゐるし、ミュージカル映畫だつてさうだ。あるジャンルが時代によつて盛衰するのは必然であらう。などと冷淡につきはなすのは、私が時代劇に思ひいれをもつてをらぬからだらうな。 時代小説がほろび…

パニック・トレイン これまた期待せずに觀たらおもしろい。期待は映畫の最大の敵であるかもしれぬ。話が列車内のみで進行することも、人物がすくないのもよろしい。 さしたるパニックが起きるわけでもないので邦題はいただけない。 パニック・トレイン [DVD]…

第十折々のうた 折々のうた〈第10〉 (岩波新書) 作者: 大岡信 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1992/09/21 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る

アルスラーン戦記(12) 暗黒神殿 ナルサスがへんなフラグを立てた。智謀の士ならばさういふことは避けてもらひたいですねえ。 暗黒神殿 アルスラーン戦記12 (カッパ・ノベルス) 作者: 田中芳樹,丹野忍 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/12/07 メディア…

謹訳 源氏物語 五 玉鬘の不幸はつづくが、周囲のひとびとまで不幸にまきこんでゆく。すべて源氏のためであり、そのへんを川原泉は「増殖ワラジムシ」と呼んだのだらうか。 謹訳 源氏物語 五 作者: 林望 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2013/09/10 メディア…

アルスラーン戦記(11) 魔軍襲来 ザッハークがラスボスだとして、ギスカールのマルヤムやヒルメスのミスルがどうかかはつてくるのか讀めないなあ。 魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11) (カッパ・ノベルス) 作者: 田中芳樹 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 200…

アルスラーン戦記(9)(10) 旌旗流転 妖雲群行 アルスラーンがヒルメスに甘いために多くの人間が迷惑を被つてゐる、としか思はれぬ。 旌旗流転・妖雲群行 ―アルスラーン戦記(9)(10) カッパ・ノベルス 作者: 田中芳樹,丹野忍 出版社/メーカー: 光文社 発売…

大いなる勇者 前奏曲だの間奏曲だのがある映畫をはじめて觀た。 こどもを出した理由がわからぬ。なにも機能せずに退場したやうに見える。ただ喪失感を増大させるためか。そもそもの原因は自分がタブーををかしたためであるのに復讐するのもヘンだし、襲撃者…

イリーガル・エイリアン いまもつてFBIのFIFAに對する搜査權の根據をしらぬ。だが、合衆國のひとたちは異星人をかれらの法で裁くことに毫も疑問を感じぬやうである。かれらの正義は人類普遍であるのみならず、全宇宙に通用するとかんがへてゐるらしい。おそ…

貴婦人として死す ひさびさのカー。氣づくと未讀の作品もさほどなく、さうなると讀むペースがおちる。RPGのラストダンジョンあたりで失速し、けつきよくクリアしない現象と同根の問題だらうか。 貴婦人として死す (ハヤカワ・ミステリ文庫 6-3) 作者: カータ…

フライト・ゲーム 期待しないで觀たらとてもおもしろかつた。「アンノウン」の監督だが、あちらよりもずつとよい。もつと話題になつてもよささうである。私が知らないだけかもしれぬが。 冷静にかんがへればツッコミどころも多々ありさうにも思はれるけれど…

鷲と鷹 監督ゴードン・ダグラス。出演リー・ヴァン・クリーフ、ウォーレン・オーツ。 なぜこの映畫を録畫したのかおぼえてをらぬ。西部劇だから、だつたらうか。 トラヴィスにしてもレミーにしても、人物造形からしてよくわからない。1970年ともなるとかうい…

バーナード嬢曰く。(2) なんだか神林さんがどんどんかはいくなつてるのですが。ほとんど主人公みたいだし。 バーナード嬢曰く。 2 (IDコミックス REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2015/07/27 メディア: コミック この商…

大逆転裁判 第四話了。 アリンガムの短篇を思ひだした。比較的簡單な話だつたやうに感じる。 漱石はたしかに追跡妄想をもつてゐたらしいが、それでもこのあつかひはひどいね。どうしてかうなつたのか。 ホームズもののパスティーシュやパロディではダメなホ…

大逆転裁判 第四話にはひる。 スサトさん、グレグソンの名を記憶してゐるのにワトソンやレストレードにはなぜ反應しないのか? 各話冒頭のワトソンの回想の意味は?

ドラゴン危機一発 昨今のカンフー映畫の出來にあれこれいふことがあるけれど、このへんのも大概である。ブルース・リーの體技は別次元だとしても(パンチはへんに大振りだけど)、ほかが目に餘る。 BGMの曲がなんだか聽いたことがあるなと思つたらピンク・フ…

江戸時代 けつこうカタい内容なのにすらすら讀ませる筆力はたいしたもの。 江戸時代 (中公新書 (476)) 作者: 大石慎三郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1977/08/25 メディア: 新書 クリック: 45回 この商品を含むブログ (10件) を見る

仏教思想のゼロポイント 「悟り」とは何か 輪廻の主體はなにかといふ議論を讀んで、それはそれで納得のゆくものだつたのだが、さうすると轉生したさきの存在はほとんど他人ではないかと思つた。ふたごのきようだいがゐたとしたら、そちらのはうがよほど自分…

反省させると犯罪者になります 家人がよく刑事ドラマを見る。そのため私も斷片的に見る機會がままある。それでわかつたのは刑事ドラマの眼目は犯人を反省させることにあるのだ。刑事の搜査だとか、ましてやトリックの解明などは反省のドラマのダシにすぎぬ。…

ヘウレーカ アルキメデスの工學者としての側面ばかり注目して數學者としての業績を無視してゐるのが、どうも。 兵器を開發したことを氣にやむのも、あまりに近代的感覺をもちこみすぎてゐるやうに感じられる。古代人をばかにしすぎかな? ヘウレーカ (ジェッ…

福家警部補の再訪 なんだかだいつておいてつづきを讀むのであつた。 福家警部補の再訪 (創元推理文庫) 作者: 大倉崇裕 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2013/07/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る