長靴をはいた犬 神性探偵・佐伯神一郎
 「神曲法廷」ははるか昔に讀んだのでほとんど憶えてない。もつとも印象的だつたのが日本の檢察の問題點で、憂慮したことを記憶してゐる。私にとつては檢察ミステリであつた。
 いまになつてやうやくコレを讀んだのだが、「神曲法廷」とおなじ年に出てたのね。おそろしく充實してたのだなあ。
 眞犯人はかなり前のはうであかされるが、それで興味がうすれることはない。「神曲法廷」よりおもしろいのではないか。終盤の望月との對話は壓倒的な迫力。
 で、煉獄篇と天上篇はどうなりましたか。