2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「「ゴッド」は神か上帝か」(柳父章)

「お言葉ですが…」で紹介されていたので読んだのだけれど、思っていたような本ではなかった。タイトルからして、聖書の訳語の話だと思うではないですか。いやまあ、訳語の影響から太平天国がみえてくるということではあるのだけれど、もっと個々の訳語がどう…

「カオス―新しい科学をつくる」(ジェイムズ・グリック)

原書が出版されたのが1987年、20年前になるのか。科学書はこれだからいけない。積んでおくと賞味期限がきれるのである。いや、この本がふるくなったかどうかは知りませんが。内容についていえば、前半はともかく後半はどうもわかりやすく記述することを抛棄…

「岳(1)」(石塚真一)

好ましい作品であるとはおもうし、べつにつまらなくもない。けれどものたりない。何がいけないのか考えたのだけれどもわからずじまい。ドラマに力がないということなのか。あれだけいろいろ起こってるのにね。ま、そこそこの出来の作品を傑作でないとけなす…

チャンピオン、「不安の種」(中山昌亮)が開始したが、これは何なのだろう。ずっとこういう形式でやってくわけなんですかね?

「キス★キス★バン★バン」(スチュワート・サッグ)

なんなんだこの★は。と、例によって邦題に噛みついておいて、さて、こういうストーリーの発想の源がわからぬ。殺し屋組織から抜けて、外伝のカムイよろしく狙われる主人公と、外の世界を知らず生きてきた男が出てきて。それでこういうストーリーになるという…

「おおきく振りかぶって(7)」(ひぐちアサ)

周囲に7巻を待ちわびている人間が幾人かおり、それによれば前巻が出てからだいぶたっているのだそうです。わたくしはそこまででもないのだけれど、さすがにはやく決着が見たいので次巻はすぐに出してもらいたいものです。田島はいつ、打つのだ? どうせすぐ…

「“文学少女”と繋がれた愚者」(野村美月)

そしてこちらも読んで(さすがにリーダビリティ高し)、「幽霊」にたりないのは憑き物おとしであるとわかる。最後の遠子先輩の演説ですな。これできっちりオチれば、ほかには目をつぶれるというものだ。歯の浮くような内容になっても、そこは主題が武者小路…

「“文学少女”と飢え渇く幽霊」(野村美月)

前作のときも名をだしたが、今回も京極氏を想起させられた。探偵役(?)は書痴であり、語り手は不安定であり、ドロドロの人間関係がある。おまけに妖怪も出てくるし、無いのは榎木津くらいではないか。ジョーン・エイキンはわたくしも大好きです。

「赤ちゃんは世界をどう見ているのか」(山口真美)

この手の疑問文タイトルはどうも好かぬ。内容がわかりやすいし、興味もひきやすかろうが。でもって中味は、いろいろ実験を紹介しようとしてとりとめが無くなった恰好でしょうかね。赤ちゃん云々よりも、さまざまな脳の障碍に瞠目し、ふつうに世界が見えてい…

「死の序曲」(ナイオ・マーシュ)

機械仕掛けの殺人の標的は、被害者ではなく別人だったのか、という話だと猜疑心のつよいわたくしは裏の裏でホントはやっぱり被害者が目当てだったのだろうと勘繰るのである。終盤にいたって突然に不可能状況までとびだすサーヴィスぶりだが、むしろ田舎の村…

サンデー、「焼きたて!! ジャぱん」(橋口たかし)が終了。このまんがを読むと、「ミスター味っ子」を思いだす。原作は読んだことがないのでアニメのほうである。まんがでは料理の味そのものを表現できないから、食べた人間の反応(この作品でいうところのリ…

「“文学少女”と死にたがりの道化」(野村美月)

キャラクタや設定はすこしかわっているし、サスペンスもないではない。しかし、どうにもうっとうしい。ちょうど「エヴァンゲリオン」を見ているときに感じるような、幼稚で青くさい議論を読まされるうざったさと痛々しさ。登場人物のかかえる問題にしても、…

「怪帝ナポレオンIII世―第二帝政全史」(鹿島茂)

というわけで読了。ナポレオン三世はわたくしが思っていたすっとこどっこいでも、マルクスがいうような詐欺師・山師のたぐいでもない、らしい。『第二帝政がなければ、果たして、フランスが近代国家の仲間入りできたかさえ疑わしいというのが、歴史家の間で…

「相棒」の特番。タイムリミットがある状況はサスペンスフルで、それなりにはたのしめた。でも、右京さんは中盤以降はほぼなにもできてませんね。事件が勝手に収束したのを傍観していただけである。それに、偶然人質になったのが**だったというのは、テキ…