むかしむかしあるところに、死体がありました。
 あまりたのしめなかつた。
 ミステリとしての出來に文句はない。
 ストーリーの陰慘さがどうも受けつけられない。
 といつて、昔話に過剩な思ひいれはない。
 たぶん、タイトルからもつとコミカルな話だと思つたためだらう。
 タイトルによる先入見を一册讀んでもぬぐへない私の頭のかたさもひどいものだ。