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愚者が出てくる、城塞が見える
むかしクイーンの何といふタイトルだつたか、エラリイが頭痛にくるしむ話を讀んだ。私自身が頭痛もちでエラリイが痛い痛いといふたびに自分まで苦しくなり、謎そつちのけで頭痛が治つてほしいと願つたのである。ふだんそこまで感情移入といふのか共感することはないのにふしぎだ。
さてこの小説では殺し屋トンプソンがひどい胃痛に苛まれるのだが、私は胃弱でもある。銃で腕をうたれるより、耳をうたれるより、足をうたれるよりも、矢を目に打ちこまれるよりもこの胃痛がつらかつた。なんなんだらうね。
愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)
- 作者: マンシェット
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/10/24
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