雪密室
 エラリー・クイーンでわからないのは探偵と作者の名がおなじであることだ。ヴァン・ダインはわかる。作者と語り手の名前がおなじだから筋がとほる。ホームズ譚の作者がワトスンであるやうなものだ。よつて有栖川有栖二階堂黎人もわかる。クイーンはどういふことか?
 作家でもある探偵が事件を客觀視して三人稱で書いたと解釋することはできる。だがそんなことをする意味は? どんな效果をえられるといふのか。なので法水、でなかつた法月綸太郎も謎である。
 むかし「密閉教室」を讀んですきになれなかつたのでこの作家をながらく讀まなかつた。でも今回ふつうにたのしめた。本格としてどうかうよりも讀みものとしておもしろかつた。解説子によれば次作でまたがらりと作風がかはるさうなので不安であるがそのうち讀んでみたい。

 

雪密室 (講談社文庫)

雪密室 (講談社文庫)

 

 

 
鬼滅の刃(1)
 連載で讀んでゐる作品のコミックスを買ふのはひさしぶりである。
 「頑張れ俺」と一卷からいつてたのか。
 この卷の白眉は錆兎の笑顏であらう。
 「ディスコミ」の松笛くんのお面もほしかつたが、厄除の面もほしい。

 

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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