アーリア人

 電子書籍四册目。文章と圖を一緒に表示できないらしい。たとへばページの上半分に圖をのせ、のこりに文章をおくことができないやうだ。それでひどく不便なわけではないが、文章のあひまにヘンな繪のはひる「虎よ、虎よ!」や「トリストラム・シャンディ」などはどうするのか。まんぐわを電子化できるのだから、ページをまるごと圖像あつかひすればいいのだらうけれども、エレガントなやりかたではないですね。
 ついでに考へると、表示できない漢字があつたところからいつて、勝手にあたらしい文字をつくつて使用した筒井康隆「大いなる助走」なんかも困りさうだ。さらには泡坂妻夫「しあわせの書」はもう電子化不可能なのではなからうか。

アーリア人 (講談社選書メチエ)

アーリア人 (講談社選書メチエ)