ソネット集

 オスカー・ワイルドやアラン・チューリングの運命を考へるとこんな詩集が公刊されたことが信じられぬ。時代がちがふとはいへ、より昔ならばよりきびしくなりさうなものだ。
 「甘美豊麗この上ない」「イギリス文学中、最高のソネット文学」らしいのだが、くだらぬおべんちやらが竝んでゐるやうに思はれる。ソネットの常套らしいのだけれど。いはゆる第二部にはひつて黒い女が出てきてマシになる感じ。やはり男より女をうたつてほしいよ。

ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)

ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)