「ロスト・イン・ラ・マンチャ」(キース・フルトン、ルイス・ペペ)

 テリー・ギリアムの映画が格別に好きなわけではないけれど、モンティ・パイソンへの敬意を表すためにそれなりに観ております。そのギリアムが「ドン・キホーテ」を映画化しようとし、そして失敗してゆくのを記録したドキュメンタリーがコレなわけです。
 最初から不運つづきの撮影はまさにドン・キホーテ的に失敗し滅んでゆくのですが(ただひとつちがうのは、テリー・ギリアムが最後になっても“正気”にもどらないこと)、これを観ると映画というモノが完成するのが奇蹟に思えてきます。巷に何本もの映画が上映されている状態こそ異常なのではないかと。