中世神話
 日本の神話といへば記紀神話とばかり思つてをり、それすらろくに知らなかつたが、中世の神官たちがへんてこでマニアックな神話をたくさんこさへてたのですな。まつたく知らぬことばかりで新鮮であつた。
 考へてみると何かの本を讀むとき、その何かについて完全に無知であることはすくない。この本をいつか讀むリストにまぎれこませたのは自分なのに、なぜそんなことをしたのか思ひだせぬ。いいかげんなものだとはいへ、自分に對するサプライズととらへればそれもいいか。

 

中世神話 (岩波新書)

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