ムアコックやバドリスからの引用におどろく。「コーネリアス年代記」なんてシロモノが譯出されてたのか?と思へば作者自身の譯文であつた。
天瀬、窓音、暮枝がテセ(ウス)、(アリ)アドネ、クレタだとしてでは羅堂は? ラダマンテュスといふのはどうでせう。クレタ王家の名だからをかしくない。音はあまり似てないけれど。
くせのある人物がぞろぞろ出てくるのだが、讀んでゆくといづれも共感のできる好人物のやうに思はれてくる。これはけつこうたいしたものだ。

- 作者: 殊能将之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/04
- メディア: 新書
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