「翻訳家の仕事」(岩波書店編集部)

 「輸入学問の功罪」において、珍妙な訳文の卸元のひとつとされていた(明示されてはいないが)岩波の本が、『翻訳というものは、(略)とりあえず原文の意味内容が伝わればそれでよし、といするものではありません』などとはじまるのは皮肉である。こちらに登場する37人はおもに文学畑のひとではありますがね。翻訳作業なんてつまらんと言いきるひともいれば、礼讃するひともいて、それなりに楽しんで読めるかしら。