「ゼロの使い魔3 始祖の祈祷書」(ヤマグチノボル)

 実在した人物は知らず、「ブラジュロンヌ子爵」のラ・ヴァリエールは不快な女であった。尻軽だからというよりも、権威におもねり、そのためにはひとを裏切ることも辞さない。捨てられた男が苦しんでいることを聞き、自分も失寵したら苦しむことになるのだから同じだなどと言う、きわめつきの身勝手さ。そんなのの名前を借りるのはどうなのか。名前を借りるといえば、ラスボスはクロムウェルであるらしい。こちらの世界のクロムウェルは護国卿ではなくて皇帝になってしまうのね。
 中盤までは低調だったが、最後の空中戦はおもしろかった。