「日本の歴史(9) 南北朝の動乱」(佐藤進一)

 建武新政から義満の死まで。まさに動乱。平安貴族にはうんざりしたが、あきずに戦いをくりかえす武士どもにも閉口した。南都北嶺のやからがまた乱暴でろくでもない。これまで義満というひとに何の関心ももたなかったが、独裁政治であろうが陰険なやりくちだろうが戦乱をおさめたのはえらいと思うようになった。するとやっぱり家康もえらいんだろうか。しかし、この時代の日本人のヴァイタリティというかエネルギーは異常である。日本国中でのバトルにあきたらず、倭寇となって朝鮮、中国にまで足をのばすのだからどうもついていけない。