木下惠介の作品も、原節子の映画もはじめて観る。
主人公がひょんなことからお嬢さまと見合いするはめになるなんてストーリーは、まんがかライトノヴェル式であるが、まんがでも筋をもうひとひねりさせるんであるまいか。などということはどうでもよく、とにかく原節子の言葉づかいに違和を感じつづけていた。むかしのお嬢さまは、ほんとうにあんな物言いをしていたのか? 言葉づかい自体に、というよりもそれが自分にはうさんくさく感じられるのに当惑する。当時のひとはアレを聞いて叮嚀なことばだと思うのだろうに、この言語観の激変というか崩壊はいったい何なのか。
バイクで疾走するシーンがいい。道がひろくて自動車もすくない。