「赤い霧」(ポール・アルテ)

 おお、前二作より面白い。すこしアルテを見損なっておりました。といっても、面白いのは前半なんですがね。殺人事件にくわえて語り手の謎が相俟ってえらくサスペンスフル。でも第二部にはいったらみえみえの展開になってしまいましたな。まあ、作者がやりたかったのは後半なのかもしれないけれど、へたに色気出さなければよかったんではないかしらん。