「西遊記」(中野美代子)

 まぎらわしいタイトルですが、「西遊記」そのものではなくて「西遊記」についての本であります。
 中野さんには「西遊記」についての本はいくつもありますが、コレは数字、五行、八卦などにとことんこだわったもの。こじつけや深読みがすぎると感じる部分もあるものの、「西遊記」の作者がそうしたものを気にして物語を構成したのは否定しようがないですな。
 で、わからないのは、単なる娯楽読物にどうしてそんな構成が必要だと思ったのか。そして驚きなのは、そんなことに徹底していても「西遊記」が面白い物語であることでしょうか。