時の車輪 聖竜戦記1 闇の予言
 主人公が愚かでイライラする。その愚かさのために愚かな行爲をするだけならまだしも、ぐずぐずしたり餘計なことをしたりで愚かな行爲を貫徹することすらできないのには我慢できぬ。田中芳樹がエッセイのやうな解説で「うじうじくよくよ悩みつづけているのがちと歯がゆい」と書いてあるのがまさにそのとほりだと思ひます。
 中世みたいな世界の教育のない羊飼ひなのだから無理もないともいへるけれど、物語の主人公なのだから程度といふものがある。

 

聖竜戦記〈1〉闇の予言―「時の車輪」シリーズ第2部 (ハヤカワ文庫FT)

聖竜戦記〈1〉闇の予言―「時の車輪」シリーズ第2部 (ハヤカワ文庫FT)