弁護側の証人
 眞相があきらかにされたとき、はたと膝をうつといふより困惑した。何度も讀みかへしたあげく、ミスプリントまで疑つた。まんまとだまされたわけだが、どうも心地よい驚きではなかつた。いや、おもしろかつたのだけれど。
 小泉喜美子の小説を讀むのははじめてである。これまでは私にとつて彼女はクレイグ・ライスやジョセフィン・テイの翻譯者であつたのだ。いまはもう、どちらも新譯版になつてしまつたのかな。

 

弁護側の証人 (集英社文庫 73-A)

弁護側の証人 (集英社文庫 73-A)

 

 


王様の仕立て屋~フィオリ・ディ・ジラソーレ~(4)