ビッグ・ボウの殺人

 えーこんなトリックなの、といふのが第一の感想である。もつとも1891年の作品であるからしかたはない。讀みやすいし、人物もおもしろく、結末も劇的である。ただ、ヴァン・ダインはフェアであるといふものの、私にはさう思はれない。

ビッグ・ボウの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 サ 4-1)

ビッグ・ボウの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 サ 4-1)