「若い読者のための世界史」(エルンスト・H・ゴンブリッチ)

 どうにも通史が好きである。ヨーロッパ中心の、日本人ならばこうは書かないであろうというスタイルだが、だからこそおもしろい。ヨーロッパの人間が有史以来、愚行をつづけてきたことがわかってしまった。圧巻はやはりナポレオンの異常な才能でしょうかね。
 書評などでは、50年後のあとがきのみが評価されているようだが、全体からみればほんのわづかな文章であって、過大評価にすぎるように思われる。
 ルイをルードヴィヒ、ヘンリーをハインリヒ、ピョートルをペーターを表記するのは莫迦げている。原文にそうあっても日本でつかわれる表記にかえるのは当然でしょうに。