「イデアの洞窟」(ホセ・カルロス・ソモサ)

 こういうへんてこなミステリを読んで満足したためしがないのだが、好きか嫌いかというとかなり好きなのである。いつかこうしたタイプの比類ない傑作が読めるのではないか、と期待しております。
 でもってこの作品も、満足できる出来とは思わない。ミステリとしても、イデア論などの素材のあつかいも、かなり底が浅いと思う。まあ、それなりなサスペンスはあるけれども。