百万長者の死
 トリックはすぐわかつた。むしろ人物造形のはうがキモかもしれぬ。まあ、いけ好かぬやつらばかり出てきますがね。なかんづくアーサーが氣にいらぬ。善人ぶつてゐるところがゆるせない。
 モスクワとかワルシャワといふ表記はいつごろ一般化したのだらう。この譯ではモスコーにワルソーである。
 コール夫人はレイモンド・ポストゲートの姉だか妹だかなのださうで。

 

百万長者の死 (1956年) (世界推理小説全集〈第12〉)

百万長者の死 (1956年) (世界推理小説全集〈第12〉)