丸田町ルヴォワール
一種の幻想小説としてたのしんだ。ともあれこれだけ獨自の世界をつくりあげられたのだからたいしたものだ。
ミステリとしてはあまり。確乎としたデータが提示されないため、それにもとづく推理をしても、さらにそれをひつくりかへしてもあまりおもしろくない。
また、探偵役級の人物がぞろぞろゐるため、いくらめざましい論理をくみたててもそいつらは承知のうへだつたりするのは興をそぐ。
それから冒頭の出會ひのシーンのやりとりに魅力を感じない。これは物語にとつて致命的ではなからうか。戀のゆくへがどうならうとまるで氣にならないのだから。
- 作者: 円居挽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/14
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 34回
- この商品を含むブログ (21件) を見る