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変身物語(下)
バラバラな話を一本のストーリーに組み込まうとすると必然的に入れ子になるのだな。アラビアンナイトの、あの奇妙な入れ子構造の謎の一端がわかつたやうな氣がする。
「イリアス」や「アエネイス」の話からロムルス、ヌマに至り、カエサルまで出てくるとは。ローマ人にはギリシア世界も地つづきだつたのだと感じる。いや、ほんたうに地つづきではあるのだけども。一方、「オデュッセイア」にはほとんどふれない。オウィディウスはオデュッセウスがきらひだつたみたい。
- 作者: オウィディウス,Publius Ovidius Naso,中村善也
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1984/02/16
- メディア: 文庫
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週刊少年チャンピオン
「木曜日のフルット」に「待望の」眼鏡つ娘が登場。いいですね。
新約聖書 訳と註 6 公同書簡/ヘブライ書
おぞましい、とか、えげつないとまでは思はなかつた。つまりは聖書の文書に對する期待の高さがちがふのだらう。
それにしても聖書にはかくも雜多な文章があつまつたものだ。どこの誰がえらんだものだらう。編輯會議の議事録がのこつてたらさだめし興味深いものだつたらうね。
さうしてあと一册、「黙示録」をのこすのみとなつた。でも「概論」もはやく讀みたいし、さらには「ヨブ記」の解説もおもしろさうである。