マカバイ記 二

 二とあるが一のつづきではなく別の文書である。印象としては近代的な作者の産物にちかい。近代的といつては言ひすぎかもしれぬが、とにかく古代の文章の古代的なおもしろさを缺く。
 「その地には、灰の詰まった高さ五十ペキスの塔があり、その内側全面がらせん状になっており、そこには灰の中に突き落とす仕掛けが付いていた」とある。處刑用の塔! 五十ペキスといふのがどれくらゐの高さなのかわからぬけれどなんだかすごいね。