春の戴冠1

 作品はともかく、ボッティチェリそのひとについてはサヴォナローラにのせられたスットコドッコイといふ印象しかない。いや、作品にしたところで有名な二作のほかはろく知らぬ。ボッティチェリがあだ名でしかないのこともはじめて知つた。
 ボッティチェリや大ロレンツォが若いころ、すでにフィレンツェの衰退は始まつてゐたのか。
 語り手がなぜレオナルドの名を記憶してないのか。どういふ小説的しかけなのだらうか。

春の戴冠〈1〉 (中公文庫)

春の戴冠〈1〉 (中公文庫)