重力ピエロ

 短い章がたくさんならぶ小説は苦手である。理由は知らぬ。とにかく「猫のゆりかご」とか「密閉教室」とかが嫌ひなのだ。この作品は不出來ではないのだらうが、例外ではなかった。加へて會話も好かぬ。目の前にこの小説の人物のやうな話しかたをするやつがゐたらなぐりつけるだらう。いや實際にはなぐらないだらうけれども、さうしたい氣になるはずだ。
 「放火事件のルール」とやらは相當に早い段階で氣づいてしまつた。これは困つたことである。自分がわかつたことを登場人物がいつまでもわからないのはイライラさせられるから。それを措いてもこの主人公は愚鈍すぎる。

重力ピエロ

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