GOSICK VIII 下 ―ゴシック・神々の黄昏―

 二度目の嵐とやらの實態がわからぬ。實際の第二次大戰とはかなり樣相を異にしてゐるやうだ。ドイツがポーランドに侵攻してはじまつてるのに、舊大陸と新大陸とのあひだの戰ひでもあるやうで、なにがなんだかわからない。日本といふか、東洋の島國もどこで何と戰つてるのだらう。
 作者は意圖的にそのへんをぼかしてゐるのだが、すくなくとも私にとつては效果的ではなかつた。ストーリーよりもそちらのはうが氣になつてしまつたからだ。