海のある奈良に死す
私は本格ミステリの愛好家のつもりであるが、事件に積極的にかかはらうとする探偵やワトスン役を好まない。警察でもないのに他人の私事に介入したがるのは卑しいことだと思ふ。だからかう、かかはらざるをえないやうな、のつぴきならない理由をこしらえてほしいのだけれども、この小説にはそれがないのだなあ。
重要なトリックのひとつには大きな疑念をもつた。ほんの些細なことから探偵が眞相に氣づく展開はよろしい。
- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/05
- メディア: 文庫
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