殺人者と恐喝者
とんでもない不可能状況であるが、トリックはすごいとはいへぬ。ただしシンプルなのはよろしい。そのうへ、アントニー・バウチャーが「最低のいかさま」といつたいはくつきのしかけが動機づけにもある。この、ハウダニットとホワイダニットの二本立てであることがむしろこの作品の眼目なのであらう。だがひごろ動機についてあまり考へないので、ああそんなとこにもしかけがあつたのかてな印象でした。H・Mが動機が問題といつてたのにね。
とまあ、そんな感じで大傑作とはいへないのだが讀みものとしては一級品で、讀みだしたらやめられなくなり充實の讀書時間をすごした。さすがはカー。
- 作者: カーターディクスン,Carter Dickson,森英俊
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本
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