「皇帝ペンギン」(リュック・ジャケ)

 最初の3分でイヤになった。ペンギンに僕だの私だのと語らせるなんて下の下策と申すべきであり、めったに見たこともないがNHKの動物ドキュメンタリーのほうがなんぼかマシであろう。とはいえ、観はじめてしまったものはしかたなく、最後まで観た。一年の何割かを雪中行軍についやし、何割かを飢えと寒さをひたすら耐えて待つ。なんとも不合理な生態である。あの環境においてはそれがまさに合理的なのでしょうが、間尺にあわないというか、やってられん。ペンギンの雛がきわめて愛くるしいことは認めるけれど。