「魔王の足跡」(ノーマン・ベロウ)

 シンプルなアイディアでこぢんまりとまとめて好感がもてる。ただ、ミス・フォーブズの長広舌には辟易させられた。いくら不可思議な状況があっても、読者はなにかトリックがあることはわかっているのだから、超常現象についてあんなに力説されてもうんざりするだけではないか。そういうキャラがいるのがいけないのではなく、バランスを缺いているのがいけないのです。ミス・フォーブズの出番が少なくなった後半はおもしろい。