「カー短編全集2 妖魔の森の家」(ディクスン・カー)

 「第三の銃弾」は以前ハヤカワ文庫で完全版を読んだのだが、きれいさっぱり忘れていた。読むとその部分は思いだす(こともある)けれど、その先はまるでわからない。おどろくべき記憶力である。とまれ、これでもかとばかりに不可能状況をくりだしてくるおもしろさはみごとですね。表題作は『ポオ以来の短編推理小説史上ベスト・テンにはいる名品と称しても過褒ではない』なんてあるが、それこそほめすぎのような。