「ユダヤ教の誕生」(荒井章三)

 専門的になりすぎもせず、といっていたづらに程度をさげずにうまく啓蒙書している。もとより、私に学問的価値など判定できようもないが、読み物としてなかなか楽しめた。が、肝腎の最後の部分がちとかけ足ぎみになったのは残念。第二イザヤの思想がなければイエスもあのような形で登場しなかったかもしれない、などと考えるのも面白い。