「月館の殺人(上)」(佐々木倫子、綾辻行人)

 ばりばりの綾辻ミステリになるのか、それとも佐々木作品になるのか、やはりまんがなのだから、佐々木調になるべきかなどと思いつつ読んでみると、佐々木テイストを随所に残しつつもかなり本格やってますな。ドラマらしいドラマもなく電車のなかで延々しゃべってたりするのは、ふつうのまんがではあまり見ないと思われます。もっとも、文庫版の「動物のお医者さん」の解説で綾辻さんが指摘しているように、佐々木さんにはもとからパズラー体質があるようでもあるのですがね。
 ラスト(といっても上巻の、ですが)はちょっといい感じ。でも、だれが事件を解決するのか?