「リンネとその使徒たち 探検博物学の夜明け」(西村三郎)

 「チャレンジャー号探検」はいまひとつだったけれど、こちらはなかなか。リンネといっても二名法以外を思いつかない私もいろいろ知ることができたし、なにより探検譚として楽しい。壮絶なフォルスコールの探検が印象的でありますが、なにより驚くべき人物はフォルスコールではなく同行したニーブールであるのが皮肉ですな。病魔におかされ、探検隊のただ一人の生存者となってもなお探検をつづけるこの義務感は、やはりプロテスタンティズムに由来するんですかねえ。