「UMAハンター馬子 完全版1」(田中啓文)

 これを私はミステリとして読んだ。不可解な事件に合理的な解決をつけるというのはミステリの常套だし、先入見なしに読めばそう読めるはずであります。そうなるとヒントのだしかたが弱いということなるわけです。べつに合理的な解決でなくても、否むしろとんでもない結末でいいのだが、きちんとヒントというか伏線ははっておかないと楽しめません。黒孔山の正体は可笑しかったが、それ以外はどうも。
 UMAというはユーマと読むんですな。ウーマかと思っていた。呼び名といえば、屈斜路湖のクッシーはいいけど、池田湖ならイキーかイケディー、本栖湖ならモティーかモトシーではないかと思うのですが如何。