「ミリンダ王の問い(1)」

 ひとことで言えば、ミリンダ王が弱すぎる。
 副題に「インドとギリシアの対決」とあり、また訳者によるはしがきに「インド的思惟がギリシア的思惟とまともにぶつかっている」とあるが、一方の戦士であるミリンダ王がへなちょこなのであります。そもそも、ナーガセーナ(インド側)を見ただけでびびっている。これではいかん。
 それなりに面白いつっこみをしてる部分はあるにはあるのですが、相手の詭弁や譬えにすぐにひっこんでしまう。「もっともです、尊者ナーガセーナよ」じゃないだろ?