マンスフィールド・パーク
 これでジェイン・オースティンの六册をすべて讀んでしまつた。なにやらさびしい氣もしないでない。
 しかし主人公があまりすきになれない。あまりに消極的だし、ひとを判斷するにあまりに偏狹である。他の作品ではそこを相手役がフォローするのだが、エドマンドがまたさして魅力のない人物なのが困りもの。それでゐてこれほど讀めてしまふがすごいともいへませうか。
 ミスター・バートラム、ミス・バートラムと呼べるのは長男長女のみらしい。知らなかつた。

 

マンスフィールド・パーク (中公文庫)

マンスフィールド・パーク (中公文庫)

 

 

ズートピア
 これまでディズニーやらピクサーやらの作品をあれこれ觀てきて、どれもさほどのものとは思はれなかつたが、これはひとあぢ違ふやうに感じる。まあどこがどう、とは指摘できないのですが。差別といふヘヴィな題材ゆゑなのだらうか。
 それにしてもこの世界では人間はどうなつてゐるのか。ふつうの擬人化ならばそんなことは考へないけれど、この世界の動物たちは以前、動物そのものだつたわけで、さうすると人間のことが氣になつてしまふ。

 

 

特捜部Q Pからのメッセージ(下)
 クライマックスをもりあげようと無理にピンチに陷らせた感なしとしない。だつてあの状況ならばもつと應援を呼ぶでせう。
 あ、全體としてはとてもおもしろかつた。

 

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

ヒストリエ(10)

 

ヒストリエ(10) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(10) (アフタヌーンKC)

 

 
君と時計と雛の嘘 第四幕
 四卷が出てゐることに氣づいてなかつた。
 たのしんで讀んだが、どうもあれこれ引つかかる。タイムリープにまつはるルールが不自然すぎる。タイムリープ自體が大嘘なのだから不自然もなにもないと考へるならいいのだらう。でも引つかかるのだからしかたがない。これが魔法だの詛ひだのならばまだ受け入れられさうだけれども、どうしてそんなルールといふのか法則があるのだと感じてしまふ。話の都合上さうなつてゐるのだらうとは思ふがしらける。

 

君と時計と雛の嘘 第四幕 (講談社タイガ)
 

 

特捜部Q Pからのメッセージ(上)
 今回は文庫版。作者名「エ」で分類されてるからやはりエーズラ=オールスンといふ姓なのですな。
 チームのメンバーが妙な人間ばかりになつてゆくのがおもしろい。ハワード・ホークスの映畫みたい。

 

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

白い肌の異常な夜
 イーストウッドが十二歳の少女にキスする變態映畫。
 イーストウッドがかういふ役を演じるのはめづらしいのではないかと思ふが、彼の出演作の全貌を把握してないのでさだかではない。