約束の果て 黒と紫の国
 中核となつてゐる「約束」といふのがなんともたわいないもので、そこに純粹な思慕の念をみることもできようが、むしろストーカーじみてゐると感じるわけです。そのために失はれた命の厖大さを考へればこれはひどい話である。現代の「私」が感じる昂揚など、とても共有できるものではない。
 メインストーリーをとりまく部分にはおもしろいアイディアもいろいろあるとは思ふ。

 

約束の果て: 黒と紫の国

約束の果て: 黒と紫の国

  • 作者:高丘哲次
  • 発売日: 2020/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)