ジェイン・オースティンの読書会
 語り手である私とは誰なのか。讀書會のメンバーはそれぞれ三人稱で呼ばれてをり、メンバーの數も六人とかぎられてゐる。一方で「私」は明瞭に讀書會の一員として語る。どういふことか? その場にゐながら周囲に認識されないヴォネガットガラパゴスの箱舟」の語り手を思ひだす。
 蛇足ながら、「静かなる男」は西部劇ではないよ。またアーサー・フリードがちらと登場するのに驚いた。
 グリッグのすすめるル=グウィン(個人的にはル・グィンといふ表記がしつくりとくるのだが)の二册のうちのひとつ「天のろくろ」は未讀。讀むかなあ。

 

ジェイン・オースティンの読書会 (ちくま文庫)

ジェイン・オースティンの読書会 (ちくま文庫)